ホフマン革命 C 3地裁共同宣言 平成19年3月1日
 

 今でも裁判官によっては平成11年11月の東京.大阪.名古屋の3地裁共同宣言をライプニッツの根拠とする例が非常に多い。実際、ホフマンとライプニッツの件数を交通事故民事判例集で調べたら、この宣言後ライプニッツばかりという実情だった。ホフマンでなくライプニッツを採用した理由に特に目新しい点はなかった。共同宣言がどうして根拠となるのか、極めて疑問である。
@この宣言は判例ではなく、研究論文にすぎない。
Aそもそもこの宣言がなぜ出たのか、裁判官自身わかってない場合が多い。
 この宣言は行政行為である。裁判官がかかる宣言を判決以外ですることが許されるのかという問題もあるが、少なくとも判例でない。よって裁判官がこれに拘束されるということはないはずである。法律や判例以外に拘束されるべきでないことをよく説明をしないと安易にこの宣言を根拠とされる。

東西格差問題と3地裁共同宣言
 未就労者の逸失利益の計算では東京では平均賃金ライプニッツ方式と大阪の初任給固定ホフマン方式という東西間での計算方式が違っていたため東西で格差問題があり、平成10年以前は20歳男子が死亡した場合には東京地裁の判決と大阪地裁の判決は、逸失利益の計算方式が違ったため2000万円もの格差が生じた。そこで平成11年11月、東京・大阪・名古屋の三地裁の統一方式として、平均賃金ライプニッツ方式を採用するとの3地裁共同宣言によって東西間格差の問題は一応決着した。しかし、この3地裁共同宣言は判例ではなく、法的拘束力はない。また未就労の20歳前後の男子で生じる2千万円もの東西間格差を解消するために、一時的措置として出されたもので最終的効力はないはずである。その証拠にこの宣言が出された平成11年以降、先に述べたように中間利息控除利率に関する非5%判決が何件も相次いで出現している。3地裁共同宣言が拘束力あるのなら、かかる判例も出現するわけがない。最終的に平成17年の最高裁の判断となり、法定金利となった次第である。したがって、3地裁共同宣言は法律でも判例でもないのであり、これに根拠を求めることは許されない。もし、これに根拠を求めるならば『なんとなく』の理由でしかない。裁判官の良識が試される争点である。