ホフマン革命 @基本説明と論争経過
不当な利息取り過ぎライプニッツ判決を阻止。被害者のホフマンを勝ち取ろう
平成18年11月11日
 

 『先生、最高裁で5%で出ましたから、ホフマンは撤回しましょう』と遺族。
しかし、民事訴訟の中間利息控除論は終わっておりません。利率問題は最高裁で終止符が打たれましたが、ホフマンとライプニッツは戦い終了していません。
むしろ、被害者寄りのホフマンの理由を展開する判決が、最近出ました。
『先生、わかりにくいので説明してください』との声に応えます。
裁判中の被害者はホフマンに切り替え、訴額拡大できます。
これから裁判する被害者はホフマンで訴訟でしましょう。

 中間利息控除問題は、逸失利益で問題となります。重度後遺症事例裁判では、逸失利益と将来介護費、将来医療費で問題となります。
死亡事故で中間利息控除方式を説明します。

 交通死亡被害者が27歳で40年働くことが出来るとし、死亡時年収を500万円、生きていれば生活費50%として、逸失利益は単純計算500万×0.5×40=1億円となる。
 しかし、実際は40年で計算されない。将来の就労時に受け取るべき所得を、現在受け取ることによって、被害者側が将来 受領金運用で利息を得ることができるとされ、「中間利息」を控除され被害者側の取り分が少なくなります。
 中間利息は現実運用利率かの問題以外に、複利計算されるかの問題があります。
 たとえば同じ5%でも、複利と単利で計算額が違ってきます。
判例の主流は中間利息年率5%で複利ライプニッツです。
 5,000,000×0.5×17.1590=4289万7500円 となる。
単純計算と比較して、約6000万円の格差が生じます。
さらに、単利ホフマンであれば
5,000,000×0.5×21.6426=5410万6500円 となります。
ライプニッツとの金額差は、この例で1300万円以上となります。
格差の違いが1千万以上となるのです。

ホフマンからライプニッツへの判例の流れ
 戦後、交通事故が頻発するようになったのは、1955年以降のことであるが、その頃から賠償金の算定はホフマン方式によるというのが支配的だった。例えば1966年の『損害賠償額の東京地裁の実態』の論文には『判決文はことごとくホフマン方式によっており、ライプニッツ式は皆無である』 『大阪地裁でも割引はすべてホフマン式計算方法によっており』というのが実情だった。ところが、ホフマンからライプニッツ係数へという傾向は、その後67年4月19日東京地裁判決(2歳女児死亡)、68年1月13日東京地裁判決(33歳男性傷害)において、ライプニッツ方式が採用されてから顕著となった。その時の判決の理由は『中間利息の控除方法として通常用いられるのはホフマンであるが、ホフマンは貨幣資本が単利法によって利殖されていることを前提とした控除法であるが、銀行の預金利子が複利で計算されている以上、ホフマンを用いる合理性は何もない。複利法を前提とするライプニッツ法を採用する』 としており、さらに1971年5月の東京地裁の二つの判決で『現今貨幣資本はすべて複利で運用されているのが実態であるから、逸失利益の算定はライプニッツ方式によるべきである。』 とされた経過である。
(以上、岩波新書 二木雄策著『交通死』160pより引用です)

 つまり、本来はホフマン方式であり、経済の実態から複利計算のライプニッツ方式と変更された経過がある。
ホフマンが正しいのか、ライプニッツが正しいのかの法律上の議論はなく、何となく、ライプニッツ方式がいいとされてきたに過ぎない。

 その後、利率に関して、平成になってから、2%判決、3%判決、4%判決といろいろ出た経過があり、最終的に最高裁は利率に関して法定利率によると結論づけている。H17年6月の最高裁判決で、利率に関しては実質終止符が打たれた。これ以降、利率に関する新たな判例は出ていない。

 【平成17年6月の最高裁判決で、中間利息控除利率は経済法則によるのではなく、民法の法定利率によるべきだとする判決が出た。これは被害者にとって利用できる判決である。というのは、民法によるべきだというのであるから、中間利息控除方式も経済法則によるのではなく、民法405条の複利計算禁止規定によるべきとなり、ホフマン方式が正しいとなる。次回説明する福岡高裁判決である】

ホフマン方式の実情はどうか。
@大阪地裁では、つい先日まで大体40歳代以上はホフマン方式がとられてきている。
A平成2年3月23日最高裁判決が是認したホフマン方式では、9歳男児につき男子労働者平均賃金かつホフマン方式で算定している。
Bこれ以外にも、赤本ではホフマン適用例をあげているが、問題は組み合わせである。未就労者ではホフマンを選択しながら、初任給を選択すれば、意味がない。あくまで全年齢平均賃金を基礎年収にすべきとなる。