福岡高裁が逸失利益の計算について画期的判決
【ホフマン方式を採用するのが民法の定めるところである】
平成18年9月11日
 

 福岡高等裁判所が中間利息控除は複利ライプニッツでなく単利ホフマンを採用、理由も画期的です。平成17年8月9日福岡高裁判決「ホフマン方式を採用するのが民法の定めるところにより合致している」と。

 福岡高裁で特段の事情がない限りホフマン方式を採用するのが民法の定めるところにより合致しているとホフマン方式が採用されました【判例タイムズ平成18年7月15日号(1209号211p)】

福岡高裁の判決  ホフマン採用の理由
 『この中間利息控除の方式について、周知のように、単利方式であるホフマン方式と複利方式であるライプニッツ方式が存在するが、このいずれの方法も、不合理とはいえないとして是認されてきているところである。そこで、本件において、そのいずれを採用すべきかが問題となる。ところで、利息に関して、民法は、その404条で法定利率を定める一方、これに続いて同法405条で利息の元本への組み入れ、すなわち法定重利(複利)について特別の要件を定めているが、この内容からすると、その要件を具備した場合に始めて法定重利(複利)を認める反面、そうでない場合には、利息については単利計算を原則とする旨を定めていると解するのが相当である。そうすると、それ自体が利息に関する問題である中間利息の控除においても、民法がその404条に定める年5パーセントの法定利率を採用する以上、その法定利率による控除方式としては、特段の事情がない限り、民法405条が定める原則である単利に相当する方式、すなわちホフマン方式を採用するのが、民法の定めるところにより合致しているものと解される。』

意義
 逸失利益や重度後遺症の将来介護費の計算については、将来の利息分が控除される計算であり、この利息を複利計算するのか(ライプニッツ)、単利計算する(ホフマン)のかという問題が、未だにあります。
 最近は3地裁レベルで、被害者に不利な5%ライプニッツ方式をと、共同宣言を数年前にしたため、ライプニッツ方式が当たり前であるかのような若い裁判官も増えてます。
しかし、最高裁はどちらでもよい、としていまして、決着はしておりません。そういう中で、高裁レベルで民法上はホフマンが正しい、とする判決が出たのは画期的意義があります。
 3地裁共同宣言後、ライプニッツが主流となってきている交通事故訴訟において、ホフマン方式が民法の定めるところである、との高裁決定は画期的な判決です。
 交通事故訴訟の被害者に強力な援護となる判決ですので、是非この判決を引用することをお勧めします。これに続く判決が出れば、ホフマン式を採用する判決がどんどん出るでしょう。