子供の自転車事故 過失相殺を考える(子供の過失を考える)(参考 子供の事故H16.3.18トピック 平成18年6月28日
 

1 自転車と四輪車との過失相殺率の変更 
 四輪車と自転車との衝突は、たとえば信号のない交差点での事故では、自転車側に一時停止の標識があれば、従来は5対5とされてきたが、最近は自転車4四輪6とされている。自転車は横断歩道を走行するなどの歩行者と同じ面を有し、あるいは道路走行では軽車両扱いされている面で、バイクに準じた扱いをされる面があることから、バイクと歩行者との中間に位置するのだが、従来はバイクに近い扱いをされたが、赤い本1993年版や13訂版青本からは歩行者に準じる扱いとされるようになった(ぎょうせい.注解交通損害賠償算定基準237p〜)。

2 子供の事故へ信頼の原則の適用か?
 上記のように一般的に自転車と四輪の過失相殺率は被害自転車側が4割悪いとされる事例のはずが、被害年齢8〜9歳では2割程度の過失とされます。判決理由は明らかではありませんが、本来は歩行者が児童の場合、信頼の原則の適用がないから歩行者の児童や自転車の児童の過失は問われるべきではないのが背景にあると思われます。子供が高速度で飛び出した証拠はない場合が多く、子供には一時停止に違反したという車に課された義務もありません。四輪側の『自転車の飛び出し』 という言葉も、自転車側にしてみれば、あまりに不用意であり、責任転嫁の言葉にしか理解できません。それでも、目撃者がいない場合には、加害者の言う言葉が残り、調書にも記載されます。
 自転車側でいうと、たとえば子供が『止まれ』の文字が読めるかも問題です。例えば、事故当時小学校1年生で、誕生日を迎えたばかりの7歳児童であれば、4月から勉強を始めて1学期が終了しただけであり、平仮名の勉強をしているところです。「止まれ」という漢字を読めるはずもありません。そもそも、7歳でなくとも10歳までの児童が、標識等や優先道路の意味を理解できるとは考えられません。
 また、一般に被害者が「児童」の場合は、過失は10%減算されますが、小学6年生の子供と小学校に入学したばかりの幼児に近い子供を一律に捕らえるのは妥当でなく過失割合をもっと減算すべきでしょう。
 かかる年齢の子の場合には、限りなくゼロとすべきではないでしょうか。
 一般的な交差点での自動車と自転車の過失は、50対50との過失は『単車対自動車の事故の修正形態』から、『歩行者対自動車の事故の修正形態』の観点から40対60に修正され(三訂版注解交通損害賠償算定基準実務上の争点と理論下237p〜266p『ぎょうせい』)ていますが、そもそもかかるマニュアル的処理は、自転車事故で実態にそぐわない場合が多いのではないでしょうか。
 自転車は歩行者の面が強くあり、特に自転車乗りが大人か、児童か、幼児かによって違い、30キロ規制など、自動車に低速走行を義務付けている場所では『優先道路』は意味を成さず、住宅街で制限速度30`であれば自転車優先となるのが常識である。行政的形式的基準だけで過失割合の評価をすべきでないと思います。子供が自転車に乗っている場合は、特に割合の基準に気をつけるべきではないだろうか。ドイツでは信頼の原則が厳しく適用され、日本の場合は、あまりに子供の犠牲が前提のように思われます。