公判事件における被害者に対する壁 平成16年11月25日
 

 平成12年より被害者保護法ができ、刑事裁判事件は被害者に身近になりました。しかし、現実に刑事裁判に参加することにより、不公平感、理不尽さ、が感じられる面も強烈です。
 被害者支援の立場に立てば、鼻につく問題がたくさん出てきました。順番に上げて説明します。被害者対策は終ったのではなく、始まりの序章です。

当事者
 被害者は訴訟に当事者として参加できないので質問できません。
 事件の当事者でありながら、法廷では一般人として傍聴席しか与えられません。検事が間違った質問をしたり、被告人に質問をしたい、と思っても出来ないのです。

判決
 目の前に被告人しかおらず、被害者や遺族はいません。被害者が傍聴席にいても、当事者でありませんから、裁判官への圧力は被告人だけが与えられます。存在するだけで裁判官に無言の圧力をかけます。
 執行猶予が多いのは、恨まれたくない裁判官が多いからですが、それとは別に法廷で被害者の圧力を感じないからです。
 最近、実刑判決が多くなってきているのは、意見陳述をしたりして、被害者が裁判官に眼で、声で、態度で、圧力をかけるからです。

公判調書
 公判調書は【調書の要旨】作成が慣例化し、被害者にとっていいかげんな調書となります。被告人に不利な情状を記載洩れとしても誰も文句を言わない慣例があります。被害者は泣くしかありません。刑事裁判は、実は一番手抜きをされやすいのです。

供述調書
 捜査書類は第1回期日後に開示されるようになりました。しかし、加害者の被害者への開示では、明らかな不公平があります。
1 前科や身上
 プライバシー保護の名目で前科調書は裁判所が付箋で隠します。
2 当事者の住所氏名
 検察や裁判所は関係者の住所や氏名を教えません。特に住所を隠します。そのため遺族は無駄な労力を要することとなります。
3 弁護人の不同意
 不同意部分の調書を被害者に見せません。
4 弁護人の証拠開示
 加害者は公判提出記録だけでなく未提出記録も証拠開示によって、見れますが、被害者は見れません。
5 時間の壁
 公判事件では、加害者は公判開始2週間前に記録を見ることができるが、被害者は公判開始後2週間後ほど後の開示となる。当然に加害者は公判対策ができるが、被害者側はできず、それによって公判への影響も大きいし、民事係争に当然影響します。