事件簿 ある公判事件の遺族の声
『真実を葬るのが裁判ですか?』
平成16年9月22日
 

公判手続調書『公判供述の要旨のみ記載するやり方』に遺族は異議申立の声をあげないと勝手な裁判となりますよ、遺族の皆さん。

概略
 交通死亡事件の公判1審で、冒頭手続きで、裁判官と弁護人と検事の3者で、要旨記載とされたため、重要な証拠が欠けることとなり、執行猶予となった事件の相談がありました。悪質事件で、公判となりながら、処理側の都合と被害者抜き裁判であるため、被害者にとって正義の裁判が行なわれないケースです。

事故概要  
 有料道路で料金を支払うため待機していたバイクの後から追突した居眠り運転者に対する刑事事件が執行猶予になり、検察控訴事件ですが遺族の怒りはすさまじいものです。事故から2年間謝罪を一切しない加害者。居眠りが長時間継続していた末の悪質運転。『加害者は一番許せませんが、もっと許せないのは裁判官』怒りは裁判官に向けられました。

遺族の声
 1審裁判官は執行猶予理由を判決書で『残された人生をかけて誓う事を決意している旨の謝罪文をつづっている事』を理由にしましたが、綴った謝罪文を私ら遺族は見たこともありません。裁判官だけが被告人の謝罪文を見れば謝罪有りとされる裁判とは一体何でしょうか。矛盾する供述を被告人が法廷で言っていたのを遺族はメモしてましたが、公判記録に有りませんでした。よく読むと『公判供述の要旨のみ記載する』とされていました。裁判は裁判官に都合いいようになっているのですね。裁判官はまったく記憶にもないのか、要旨の記載でいいとして記録にとどめてないため、執行猶予としたのです。遺族にすれば許せるわけがありません。
 一生懸命とったメモです。どこに反省の色のかけらがありますか。裁判って、誰のための裁判ですか? このやりとりが公判調書に全く記載がありません。被害者が謄写請求しても意味がありません。真実を葬るのが裁判でしょうか。

検事

家族には花でも供えるように頼みましたか。

被告人

娘には墓にでも花を供えるように、と頼みました。

検事

娘はやってくれましたか。

被告人

やってくれてないように思います。

検事

やってくれと、頼んだのは1回だけですか。

被告人

何度か頼みました。

検事

やってくれたかどうかは、聞かなかったのですか。

被告人

結果は聞いていません。

検事

なぜ聞かないのですか。

被告人

娘にも生活があるので、無理に頼む事ができないと、思っています。

検事

遺族の方に手紙でも書きましたか。

被告人

書いていません。

検事

なぜ書かなかったのですか。弁護人に手紙を書けとは言われなかったのですか。

被告人

弁護人に会った時に遺族に手紙を書いたほうがいいと言われました。

検事

弁護人に言われても、なぜ手紙を書かなかったのですか。

被告人

もう遅いと思いました。

検事

弁護人に手紙を書いた方がいい、と言われたのは一回だけですか。

被告人

何度か言われました。

検事

それでも書こうとは思わなかったのですね。

被告人

前回、公判で遺族の方の話を聞きましたが、手紙を書こうとは思いませんでした。

検事

遺族がどのような気持ちでいるか、わかりますか。

被告人

私の態度が遺族の方の悲しみを深め、怒りを大きくしていることはわかります。

検事

亡くなった方に手でも合せていますか。

被告人

同じ部屋の人から『手でも合せたりぃや』、と言われてから、なくなられた方のことを考え、毎晩手を合せています。