重度後遺症裁判のために(17) 平成16年6月9日
 

介護支援制度施行後(1日1万6666円及び2万6666円)の高額介護費と高額損害認定

5月26日判決で高額認定事案。高額対人賠償判決上位13選(別冊自動車保険ジャーナル【高額事例トップ3(1)2億9737万(2)2億6548万(3)2億4400万】)と対比した既払金含む認定総額3億0277万6712円1位を越えた判決。 

平成16年5月26日判決(広島地裁 支部) 主文 2億6千508万円支払命令
事例(頭部外傷 12年1月症状固定。)後遺障害1級3号。神経系統機能又は精神に著しい障害を残し常時介護。症状固定後も通院リハビリ継続。

争点〈1〉推定余命 損保主張認めず。献身的手厚い介護を受け、週に1回診察目的で通院により危険性は防止され、仮に異常が生じても早期に発見され、医療機関の処置等を受けることが期待できる状況。現在程度の介護が継続されるのであれば平均余命を減じるべき事情は認められず

争点〈2〉損害額 (自賠責等3769万円受領済み)

(1)

慰謝料300万円

(2)

休損325万円

(3)

雑費24万円

(4)

付添費交通費198万円

(5)

将来介護費1億0737万円
24時間常時介護、経口摂取食事から褥瘡を防止するための体位変換まで日常生活全般に全面的介護必要、生存のため筋肉の拘縮予防のリハビリ欠かせず、適切全身管理要求される。体格大きく、入浴介助等肉体負担大きく、発語なく意思疎通が図れないため自己状態や希望を訴えられず、食事や水分補給介助は、肺炎につながる誤嚥の危険性もあるなど介護者にとり精神負担も大きい。介護は1人の力では賄い切れず、今後も特に労力を要する入浴介助等につき、職業付添人の補助を必要とする。なお被告は公的ヘルパーの派遣や介護保険等、公的福祉の活用を前提に、将来の介護費用を算定すべきであると主張するが、これらの公的扶助は常に利用しなければならないというものではないし、これらの公的扶助が将来にわたって確実に現在と同様の措置が継続されるという保証もないから、将来の介護費用の算定にあたって、公的扶助として受け得る介護費用相当分を考慮することは相当ではない
平成46年2月16日まで  家族67歳まで付添介護就労可能であるから家族が主たる介護を行い、職業付添人が補助。家族付添介護は、介護内容と拘束時間等を考慮し、1日当たりの介護費は1万円。職業付添人介護1月当たり20万円。介護費は34年間で9796万7045円となる。
平成52年1月23目まで
推定余命は40年で、この期間介護は、職業付添人1名によってのみ介護を行い、1目8時間、1日当たり介護費2万6666円。介護費は940万3138円となる。

(6) 将来のリハビリ・診察通院交通費985万0638円
関節拘縮予防と無下機能低下防止のため、運動療法言語療法のリハビリ必要、リハビリ生命維持のため必要不可欠な介護作業。移動のストレッチャー寝台タクシー利用が必要。
(7) 後遺障害逸失利益9728万1348円 生活費控除せず
被告3割生活費控除主張。しかし重度後遺障患者は可能な限り良好環境下で治療介護を行うべき。
(8) 後遺障害慰謝料2800万円
(9) 介護伴う費用2087万6806円  ヘルパー駐車場等
(10) (以上累積2億7185万円)
(11) 自賠責と労災受領金マイナス3769万円
(12) 確定遅延損害金321万8301円
(13) 家族慰謝料700万円
(14) 弁護士2070万円
(15) 支払命令額2億6千508万円

認定総額3億0277万6712円(10+12+13+14)(自保ジャーナル高額13選比較 )