なぜ、交通事故が軽く扱われるのか(3)
原因 その1
平成15年5月26日
 

法律上の原因 被害者排除システム
交通事故を含む犯罪でいうと、刑事手続きや犯罪捜査において、被害者排除システムがもともとあります。たとえば、刑事裁判において、被害者は紛争当事者でありながら、実は当事者でなく、せいぜい証拠でしかないといわれています。刑事裁判の当事者は裁判官と検事と被告人及びその弁護人だけです。被害者は傍聴できる機会がもうけられるだけであります。発言権すらありません。最近は被害者の「心情」についてのみ意見を言えるとなりましたが、これすら恩着せがましいものでありまして、裁判所の許可があるときだけです。被害者の扱いは、「傍聴席にいて、黙ってなさい」というのが、刑事法廷の実情なのです。また、捜査過程も警察及び検察独占ですから、被害者は入れません。被害者参加の制度を作れとの声が犯罪被害者の会などより出ております。被害者排除システムがあることも、交通事故が軽く扱われる最大の理由です。これから述べる特有の原因と被害者排除システムが競合して、交通事故が軽く扱われているのだということを理解する必要があります。刑事処分後の記録謄写でも、被害者が目撃者への接近することすら妨害されているのが日本の実情です。被害者は事故発生後のみならず、その後のいかなる過程からも排除されているのです。かかる法律による不平等な不合理な取り扱いが、基本的に存在するということを、まず理解する必要があります。
加害者天国ニッポンで指摘しておりましたが、被害者排除制度があるから弁護士も裁判所も被害者の声に耳を傾けようとしないのです。法律上の不公平な扱いが、システムを担当する人間の現場の仕事の仕方にも影響しております。たとえば、一般に弁護士は、交通事故の態様を記録通りとし、争うことをしませんが、それは捜査過程に被害者が介入できないことも一因です。いまさら争そってどうなるの?となります。もちろん、弁護士が被疑者調書に嘘がないかどうかを見る仕事を、普段からしていないこともあります。こういう風に、被害者排除システムは、なぜ交通事故が軽く扱われるか、の基盤的な理由です。
ただ、この原因は交通事故被害者特有の問題でなく、一般犯罪被害者にもいえることです。
交通事故の場合には、特に他の原因と競合して軽く扱う原因となっているということです。
他にも、被害者の権利を規制している法律や制度は法律上多数あります。
捜査中の捜査記録全面非開示制度(原因(7)で指摘します)
刑事不起訴処分後の捜査記録中、調書や捜査報告書の非開示制度
刑事裁判確定後、捜査記録中の目撃者などの住所氏名の非開示制度

捜査記録の保存期間の短さ 

  1. 不起訴記録の保存期間5年
    被疑者死亡では不起訴処分から保存期間は2年以内
  2. 少年事件の保管期間
    少年が成人に達すると原則廃棄される。
  3. 信号周期表の保存期間  2年 あまりに短い
  4. 携帯電話の発受信の記録 3ヶ月〜6ヶ月