なぜ、交通事故が軽く扱われるのか(2) 平成15年5月20日
 

交通事故が軽く扱われているか?
 制裁や刑については、日本では極めて軽く考えられてます。
信号も横断歩道もない交差点を渡ろうとした22歳の会社員を、普通トラックがはねて死亡させた事故について相談を受けました。罰金で済んでいました。 (大阪市)後日の民事裁判では歩行者2割の過失とされた例ですが、刑事は20万円の罰金で処理されました。死亡でも簡単に罰金で処理されます。重度後遺症の場合はもっとひどく、罰金で処理されるケースがほとんどです。事例省略。
国は、罰金で済ませてしまう。ところが遺族や被害者はとんでもない思いです。わずか20万円の制裁と引き換えに、加害者は普通の生活で変りません。ところが被害者は何年も続く苦しみと悲しみと葛藤や介護の毎日。制裁や刑について、国は真剣に考えているのだろうか?と思いますね。

実刑率の低さ、起訴の運用
 交通犯罪の刑がどれほど軽いか、驚くほど日本は軽い。実刑割合ですが、韓国、ドイツの4分の1、イギリスの6分の1、フランスの10分の1。
ドライバーに過剰にやさしい国が日本です。
犯罪白書5年版の白書は交通事故の特集をしており、読むと政策の矛盾があちこちあります。交通事故の実刑率は世界で一番甘い、と指摘していますが、交通事故犯罪の起訴率を異常に低くし、交通犯罪は不起訴で処理するのが正しいと堂々と宣言する。法務省は、一体どんな役所なんでしょうか。何にも考えていない。モラルのない国と言ってもおかしくはない。
ちなみに、今の実刑者は年に900人程度です。13年度の業過検挙数は87万件でして、最新の報告の実刑者は900人です。実刑期間も短い。実刑期間があまりに短いことを指摘された運動が実ったのが、危険運転致死罪です。危険運転致死の新法以来、運用面で業過の実刑は多くなってます。     
罰金も50万円までと安い。罰金を受けても刑として影響はほとんどない。即ち感銘力にならない。法務省も感銘力にならないと認めています。もっとも加害者を不起訴にする理由としてます。 1000人の交通事故の人身事故加害者がいて、うち900人が不起訴となり、100人のうち、90人が罰金となり、10人は刑事裁判されるが、1人だけ実刑となる。被疑者に甘い運用は刑以外でも登場します。警察は加害者を逮捕しない。このためもあって、新聞もさん付けで呼ぶ慣習さえ作りだしている。法律以前から加害者に甘い。
警察は初動捜査をしたら、調べなおそうともしない。加害者の供述に沿う捜査がまかり通る。必要な目撃者探しなどしませんから、遺族が目撃者探しをしなくてはならない。交通事故は一瞬の出来事で、時間もわずかです。警察としては、1番しゃべる加害者を中心とした捜査をするのが、当たり前でしょうが、遺族にしたら、たまりません。死人にくちなしの捜査がまかり通っていると、ジャーナリストが書いてるとおりです。検察がまたひどい。検事は遺族に会うのを迷惑がる、嫌な顔をし、遺族に説教までする。検事のところへ送検され、事件が検察へ行っても、遺族からさらに遠くなりますから、被害者のいないところで、勝手な不起訴をし、罰金にする。公判になっても受身の仕事しかしない。
相談を受ける弁護士も刑事事件が終了した後で、受任しましょう、となる。事故内容を悩む被害者の声を、司法は排除しているのが実情です。
被害者遺族を無視した捜査や処理が構造的になされているのではないか、と思います。私も何度も遺族から話を聞くうちに、警察、検察、裁判官、弁護士のシステム側に疑いの眼を向けるようになりました。システムに問題があります。