奈良副検事交替は、システムの腐敗現象を示す 平成15年4月22日
 

平成15年4月19日付毎日新聞関西版(夕刊)
奈良の高校生交通事故死「目撃者ないと死に損も」「副検事が暴言」両親が交代要請
校生の長男を軽ワゴン車にはねられて亡くした奈良市の両親が「事故を担当する検察官に暴言をはかれ、遺族感情を深く傷つけられた」などとして、19日までに奈良地検の担当副検事の交代を求める異例の上申書を大阪高検に提出した。奈良地検は「被害者の理解を十分得る努力はしたい」と、担当検察官を1人増やすことも含めて対応を検討している。
 起訴状によると、昨年3月18日午後1時20分ごろ、奈良市中登美ヶ丘の市道交差点で、近くの県立高2年、薮田知希さん(当時17歳)運転のミニバイクが、男性(55)運転の軽ワゴン車にはねられ、停車中の別の乗用車にぶつかって死亡した。男性は業務上過失致死罪で在宅起訴され、現在、奈良地裁で公判中。
 上申書などによると、男性は事故直後の県警奈良西署の調べに「一時停止して安全確認しなかった」と述べた。しかし約9ヵ月後、担当副検事には一転「一時停止した」と述べ、起訴状は「一時停止した」となった。

毎日新聞は遺族への暴言として捉えていますが、実は交通システムの大問題をえぐり出してしまった事件が、今回の奈良副検事交替事件です。記事の最後の1行が核心です。
副検事がしたことは、警察の調書『被害者の交差点右折の徐行』を『右折の一時停止』とあたかもねつ造しているのです。被疑者の言い分どおりとはできません。警察の記録を無視した調書を作成しているのです。
そのうえ被害バイクの速度について強引な目撃者立会いをして、時速55キロとまでしてしまった事件。捜査情報が開示されないため、被害者のいないところで調書の作り放題、被害者に責任転嫁し放題。調書となり、紙となれば、正義となるのが交通捜査です。
 現在進行形の交通事故捜査について、捜査情報開示が絶対必要な理由です。歪んだ事実が正義となります。副検事諸君、交通警官諸君は、被害者に責任転嫁して軽く扱ってしまい、仕事は完了します。手抜きが堂々と通用するのが、交通捜査の特質であり、誰もが責任を問われません。今回、交替した検事が、警察の捜査調書と違う点をやり直したり、検事の調書ねつ造的な行為を糾弾するのでしょうか。

 被害者保護法により、刑事公判段階で認められた『捜査記録の開示』により、被害者と検察の利害は明確に反する事例が生じるようになりました。捜査情報非開示制度のもとでは、検察のかかる手抜き捜査が横行している事を示しています。