轢き逃げ犯の増加と検挙率減少 平成15年4月3日
 

【轢き逃げ事件は95年6500件が、2001年に1万6500年に激増。他方で,検挙率は70%から30%に急落。増加原因と急落原因は何か?】とコメントを求められました。自動車の最近の構造自体の進化により、轢き逃げをしても発覚しないと、読売ウィークリーの記事にありました。たしかに、軽傷事案ではそうなのでしょう。
 轢き逃げが増加しているのは、基本的には業務上過失致死傷での被害者数が増加していることがあります。3年前はまだ被害者数は90万件台でしたが、昨年は118万人と増えています。
轢き逃げと業過の双方の犯罪の増加に言えることですが,基本的にドライバーの運転マナーが悪くなったということが原因です。安易に事故を起こし、安易に逃げる、という姿勢です。昔のように、轢き逃げけしからん、という風潮がなくなってます。社会規範が明白に変わっている。規範が変わった主な原因は法務省にあります。轢き逃げに対する検察の処罰もなされなくなり、検察や警察が正義感をもって対応をしていない結果が長年続き、ドライバーも麻痺して、轢き逃げに対する反応も麻痺しているのではと思います。
業過の増加自体が、轢き逃げの増加となっているのでしょうし、警察の処理能力にも限界があるため、検挙率減少となっているのでしょう。
轢き逃げは罪としては、業務上過失致死傷と轢き逃げの2つのセットですが、検事は業務上過失致死傷罪のみで処理すればいいという雰囲気すらある事件もあります。たとえば轢き逃げしても、被疑者が否認すれば起訴をしない、私が担当している事件でも証拠がありながら、起訴しない扱いをしているケースが2件もあります。1件は不起訴としたため、検察審査会に申立し、不起訴不当決定済みです。否認事件を扱いたがらない検察の悪い体質が出ています。他にも体質的な原因としては、政府が交通事故は犯罪でないと宣言し、現実に交通事故が起こっても不起訴としている交通事故の非犯罪化政策にあります。交通事故を非犯罪化するという政策をとっているためです。検察自体の組織の問題もあります。犯罪扱いをしない風潮以外に、検察官に2線級ピッチャーのような副検事しか配置しない問題も大きい。そのため否認する事件を起訴しない傾向にあります。起訴しなくとも、誰もが異議をとなえられない仕組みです。
人身事故を起こしても起訴されないため、ドライバーには規範意識が無くなって行き、悪いと思う感覚が生じたりしません。事故を起こした本人だけでなく、目撃をした一般人も重大犯罪だと認識しなくなっている、それが検挙率減少の大きな原因でしょうか。
運送会社の多くでは、事故自体は、厳しい処罰の対象とせず、轢き逃げだけを解雇事由としている例もありまして、轢き逃げを解雇理由としている会社があります。事故自体は過失でも轢き逃げは故意犯だからでしょう。ドライバー仲間での轢き逃げの時どうするかも話しがあるのではと思います。轢き逃げをしても、知らぬ存ぜぬ、で通すドライバーが多い理由の一つです。