男女格差問題 訳わからん最高裁判決と
最近の格差解消高裁判決
平成15年2月8日
 

 未就労者の逸失利益算定に関して、法学者かつ経済学者の二木雄策さんが、ご自身の裁判でも争われ、交通死という岩波新書で叫ばれたのが『逸失利益の男女間格差問題』です。
判例は当初、奈良地裁葛城支部が1番初めに出て以来、次々と出るようになりました。
その後の議論は葛城支部判決で生活費控除率が40%とされた点について集中し、その後の東京高裁判決などは、生活費控除率を45%とするようになりました。40%とすると男児よりも高くなる可能性があるという理屈でした。この判決後、男女間格差解消判決が出ても、生活費控除率は45%とされるようになったのです。
どちらの争点も、もう司法界の常識だと思っていました。

最初の点については、昨年最高裁が下した判断(夏頃)は、女子賃金センサスでも可、全労働者平均センサスでも可、としました。必ずしも女子センサスで計算しても違憲ではない、という内容です。
訳のわからん最高裁です。
司法判断では一般には最高裁判断は至上とされますが、どうも歯切れが悪いのは交通事故部門だけのようです。
最近でも下級審や高裁が中間利息控除非5%論を採用した点についても、ことごとく、排除。東京高裁などは裁判所の顕著な事実と言って、被害者が5%でなんか運用できないとまで認定したのに、これも否定。
昨年までの短期間に8件もの非中間利息論判決は、その後出ないようになりました。画一的処理の要請という論法が決定的です。裁判官の都合といった方がわかりやすい。
 ところが、男女間格差判決でも、最近の大阪地裁判決でも女子平均センサスで計算することは憲法14条に反するとまで言い出したのに、最高裁は女子賃金センサスで計算しても可としたのです。秋頃までの議論でした。

 先日平成14年12月27日に大阪高裁で言い渡された判決があります。一審が女子センサスで計算したのを変更し、全労働者センサスとしました。さらに画期的な点がありました。格差解消判決では常識となったと思われた生活費控除率を40%にしてくれたのです。
見てびっくりです。 45%は常識ではなく、高裁レベルで40%としてくれたのです。
葛城支部の40%判決も大阪高裁では45%になったというのに、再び被害者有利な40%にしてくれました。被害者にとって名裁判官でしょうね。