交通事故不起訴事件 遺族の知る権利訴訟(4)
裁判所の変化
平成14年12月4日
 

検察の捜査記録非開示を裁判所はどう考えているのか?
最近の流れは知る権利訴訟に力強い味方が現れています。孤軍奮闘と思ってましたが、実はこころある裁判官を見つけました。嬉しい!ですね。

1 法曹3者協議
 これまでの何十年間に渡って、司法界では、司法事務協議なる協議により、実務慣行がなされてきた。不起訴事件については、検察庁が開示しないとする原則を打ち出していて、実況見分調書のみ開示するようになってきたものであり、数年前までは、これも弁護士の照会のみが認められていたのであって、極めて強い規制があったのである。
 現在は実況見分調書のみ開示する扱いである。

2 新しい潮流
 ところが最近では裁判所内部からもこの検察庁の取り扱いについては、異論が出てきている。東京地裁河邊義典裁判官などが最近言い出してきている。東京地方裁判所27部といえば、交通事故訴訟の保守本流である。いわく
『事故態様に争いある場合には、刑事事件としては、勢い、不起訴処分となることが多いといえます。そして、不起訴処分となった事件については、刑事記録の送付嘱託をしても、検察庁は実況見分調書以外の書類については、「刑事訴訟法47条の趣旨にのっとり送付には応じられません」として、送付を断ってきます。重要な目撃者がいても、その供述内容が開示されないのはもとより、普通は、警察、検察庁は、目撃者の住所、氏名を教えてくれません。交通事故の当事者本人についても、供述調書が開示されないために、一番知りたい、事故直前に双方がどのような供述をしていたのかがわかりません。
 このことは、事故態様に争いのある事件について、民事訴訟における事実認定を極めて困難なものにしております。目撃証言等が明らかにされないために、裁判が長期化し、真相の究明に困難を来しているという事例が少なくありません。捜査機関が不起訴記録を開示しない理由も理解できないではありませんが、そのために司法全体としては、大変大きなマイナスが生じています。刑事訴訟法47条但し書きにいう「公益上の理由」を考慮すれば、民事訴訟において、必要がある場合には、不起訴記録を開示すべきであります。
 私どもは今後、機会あるごとに、法務省、検察庁に、不起訴記録の開示を要請していきたいと考えています。』(ぎょうせい 14年11月出版 新しい交通賠償論の胎動43p)

 遺族が言っているのではありません。日本の中央のバリバリの裁判官が言い出してきているのです。交通死亡事故の遺族のこだわりがようやくこだわりでなく、正当な権利として認められようとしてます。機は熟しました。法務省に違憲訴訟をすべきなのですよ。声にしなければ変わらない被害者排除システムの象徴なのです。どんどん違憲訴訟を検察、法務省相手に出しましょう。