現場にいない母のPTSD 全国初認定
 大阪高裁判決 (H14年4月17日言い渡し)
平成14年5月13日
 

子供を亡くした母親のPTSDを裁判所が認めるのはこれまで、眼前でわが子の死亡事故を見た場合に限るとされてきました。慰謝料を限定的に考える立場からの帰結でもあります。ところが、毎日新聞等で、1昨年アンケートをしたところ、実に50%以上の母親にPTSDあり、とのデータが記事に載りました。実情を裁判所が把握していないのです。被害者の声や実情を排除する姿勢です。
 こういう実情の中で、ようやく眼前で子の死亡を見ていない事例で、おそらく日本で初の判例を勝ち取りました。母親のPTSDでは初でしょう。
つまり目の前で子供さんの死亡を見ていなくとも、PTSDと認容されました。
事例は奈良県の道路で発生した自転車と原付自転車との衝突事故で、自宅の近所でした。通るたびに事故が思い出されるとのことで、平成9年の事故から既に5年経っても症状が良くなりません。
曰く
『子の死亡を契機として、心的外傷ストレス障害(PTSD)に罹患し、事故日から10年9月までの間、これに起因する呼吸困難、視力障害、睡眠障害、体重減少、下痢、発熱、決断力低下、場所や人の感覚喪失、混乱、悪夢、悲しみ、引きこもり、食欲低下等の症状を呈し、同年10月以降はおさまっていく傾向は見られたものの、同時期以降も通院を続けている事が認められる。』
 その結果、夫との慰謝料差額でPTSD分として200万円増額した判例となりました。