【被害者の知る権利訴訟】(1)提訴概要 平成14年5月12日
 

不起訴事件の被害者の知る権利の違憲訴訟を提起しました。
概要を説明します。まずニュースから。2以降解説です。   

1 〈大阪〉交通事故の捜査情報非公開は違憲と提訴【(朝日放送)[5月10日]】
6年前、大阪府美原町の交差点で中学2年男子生徒死亡交通事故をめぐり、両親が「捜査情報を公開しないのは憲法違反」として、国を相手に訴えを起こしました。訴えを起こしたのは遺族池田さんです。96年5月、池田さんの長男の友厚くん(当時13)が町道の交差点を横断中、車にはねられ死亡。運転していた女性は不起訴になり、両親は、「事故の真相を知りたい」と女性と美原町を相手に民事提訴。大阪地裁堺支部は町に賠償を命じましたが女性の賠償責任は青信号として、認めませんでした。この裁判で、両親は「信号は赤」と主張し、目撃証言を記した捜査報告、検事調書などを公開するよう求めたが、拒否されたため、憲法で認められている「知る権利」「裁判を受ける権利」を奪われたなどとして、慰謝料等の支払いを国などに求めました。父親貢さんは「何としても真実を知りたい」と訴えます。

2  捜査情報の種類と不起訴事件の公開程度
捜査情報には、実況見分証書、捜査報告書、検事調書などがあります。ところが不起訴記録は『実況見分のみ公開』され、民事裁判でも同じであり、捜査報告書と検事調書などは公開しません。検察の独自の基準です。通常は実況見分と捜査報告や検事調書は内容は同じなので問題となりません。検事調書は現場で調べないため、実況見分調書と内容が同じとなるのが通常です。ところがこの事件は実況見分と検事調書が異なりました。実況見分調書は(加害者の信号=赤)という3名の目撃がありました。不起訴に対し納得できず、民事提訴しました。裁判では警察官証言があり、(加害者の信号=青)の捜査報告書があることが判明しました。事故当日に3名から聞いたという伝聞証拠です。3名もの目撃を交通課長がでっち上げです。
ところが、1)検察は捜査報告書の公開を拒否しました。
 また少年達は法廷でも証言しました。実況見分の通りでした。しかし損保代理人は3少年の法廷証言が検事調書に反すると主張(損保がどうしてか検事調書の内容を知っており、損保側の不平等な捜査資料の入手は問題)。法廷証言に反する検事調書の一部が出てきました。それは、警察官の捜査報告に沿う内容で、検事もでっち上げ捜査報告を信じ、それを真似した内容なのです。

ところが2)検察は検事調書の公開も拒否しました。
そこで1)や2)の公開拒否を憲法21条の被害者の知る権利、同32条の裁判を受ける権利を侵害するとし、国を訴えたのです。どう考えても不条理です。
検察がどうして警察官や検事の犯罪を隠すのかはわかりませんが、人身事故の9割が不起訴となっている裏で、捜査の実態を隠す検察の姿があります。交通事故を非犯罪化としながら、捜査情報の公開面では犯罪扱いをして秘密とするというめちゃくちゃな法政策をとるニッポンは被害者への非人権国家です。 
訴訟の経過に応じて、逐一説明をします。弁護士会も被害者排除システムに加担しており、これに気付かないマスコミも馬鹿です。司法事務協議は司法3者の合意文書ですが、検察のいうがままに情報規制に従う弁護士会は人権の砦どころか、損保の手足として協力する機関であり、これに異を唱えないで着ている弁護士も馬鹿です。被害者を排除するシステムを自ら作成していることに気付くとは思いません。
加害者天国ニッポンの縮図の裁判です。