中間利息控除論(3)
―中間利息控除率を立証する指標―
平成14年3月28日
 

1.中間利息控除率は予定運用利率の各種を基準にして、裁判所が決定する事項であるが、裁判官は経済専門家ではないのであるから、元本の運用予定利率が決まっているものにどんなものがあるかを資料として、当事者が主張立証し、その上で裁判官が判断決定すべきである。まず被害者原告の主張や立証の資料であるが、

(1)利付国債 10年や20年や30年満期の最新入札利率 1.5〜2.8%となっている。
(2)生命保険の予定運用利率 平成14年3月予定運用利率は1.5%
(3)銀行定期預金利率 0.2%以下
(4)郵便局の定期預金、
  定額預金利率
平成11年3月で0.2%
(5)公定歩合 平成14年3月 0.1%

の5種類が考えられる。 

2.上限の指標
 そして、このうちで被害者一般が最も馴染まない運用方法としては(1)と(2)である。
年金の運用機関や保険金の運用機関などの機関投資家によって、目標とされている数字が、(2)であり、(1)の国債も機関投資家である銀行や生保などが大量売買で取得するものである。
したがって、この運用利率がどのくらいであるかは中間利息控除率の上限を決めるものとしての意味がある。
(1)利付国債 但し、一律20%の源泉分離課税がかかるので、実質利回りは表面利率の8掛けとなる。(平成11年から平成14年2月の最新入札による)

満期10年
表面利率1.5%
実質表面利率1.20%
満期20年
表面利率2.2%
実質表面利率1.76%
満期30年
表面利率2.4%
実質表面利率1.92%

(2)生保の予定運用利率
 2.5%から1.5%へ下げている(平成14年4月より)

3.下限や具体的な指標
(3)の1年満期定期や(4)の1年満期定額預金などが下限材料となると考える。
もともと1年毎の複利式計算がライプニッツ方式であるとするならば、これが理論的にはもっとも正しい指標である。しかし現実には0%台とあまりに低すぎる利率であるので下限としての意味と理解した方が良い。
就労期間によって、たとえば10年以下の場合には10年満期、20年以下であれば、20年満期の定期預金金利をベースに決定すべきである。それ以上の場合には上限利率である10年国債利率と20年国債利率と30年国債利率の利率の幅によって、幅の見込みで40年間や50年間での中間利息控除率を決定してもいいのではなかろうか、と考える。どうしても40年、50年の基準がないときに中間利息5%によるという考え方は不自然であるから、実質国債利率(源泉分離課税後の利率)の幅等を考えて決めるべきである。
 すると向こう30年までは国債上限、生保運用利率より2%が妥当。
 40年や50年先での運用利率を考えるのであれば、国債の実質利回りを考えても、せいぜい3%にとどまるとすべきである。