交通検察の風は? 平成14年2月7日
 

 栃木県真岡市で平成13年12月27日の発生事故は、酒に酔った男性がワゴン車を運転し、乗用車に追突、助手席の男性に3週間のケガを負わせただけでしたが、危険運転致傷罪で送検されましたが、検察の意見が新聞記事に載りました。

『県民も認識を』宇都宮地検杉山茂久次席検事の話
『けがは三週間程度のむちうちで比較的軽いと思われるかもしれないが、危険運転致死傷罪はけがの程度と関係ない。たとえ一週間の軽傷を負わせただけでも正常な運転をできない状態なら適用される。今回のケースは、法改正前なら、初犯であれば恐らく略式起訴で罰金刑になっただろう。危険な運転をすれば、けがを負わせるのは「過失」ではなく、「故意」とみなされ、正式な裁判で罪を問われるということを、県民のみなさんにしっかり認識してほしい。』と
(平成14年1月17日東京新聞栃木版)

 記事を読んで、思い出しだしたことがあります。検察の不起訴原則主義が交通死被害者問題の元凶だと知り、「加害者天国ニッポン」を書くきっかけです。
 平成12年、元札幌高検検事長で参議院議員の佐藤道夫代議士と検察庁の交通事故での方針経過についてお話を聞く機会がありました。先生の教え子が友人だったもので、九州旅行にご一緒したときに、私が「質問あるんですけど」とあつかましく話出しました。

   「先生、昭和62年ころから、人身の交通事故を起こしても、3週間までなら起訴しなくなった、というのは事実ですか?」
佐藤先生
  「おぼえているよ。あれはおかしい、と私は反対したんだよ!」
  「先生、なぜ検察庁は交通事故を不起訴とする方向にわざわざしたんですか?」
佐藤先生
   「あれは、たしか君、前田君(後の検事総長)が検事長の時だよ、決めたのは、大分反対があったんだよ、知っている裁判官からも、飲酒運転をしていながら傷害が2週間だから業務上過失致傷罪では不起訴となるというのはおかしい、どうして飲酒運転の道交法だけなんだ、と抗議してきたこともあったぐらいだよ!裁判官までがそういっていたからね」

と。
検察の風を感じた瞬間でした。正義もあれば、逆もある。どの時代でもそうでしょうが。
佐藤先生は先日の参議院選挙で、選挙運動もせず当選され、2期目となっておられます。
知らない人もいないとは思いますが、金丸事件(検察が特別扱いをした?とされる疑獄事件)で、検察本庁の方針に反発して、「特別な人を特別に扱うようでは検察に正義はない」というような趣旨のご発言をされて、検事長までされて出世街道を袖にされ、参院議員となられた稀有の現代の黄門さんです。 黄門さんが言ったのですね。あれは間違いだったと。
わずかな怪我でも飲酒運転であれば、厳罰となる、という検事の言い分はまさに風が変わったんですね。杉山次席検事は立派な検察官というより、ようやく正義に目覚めた?というべきでしょうか?遺族にしたら、当たり前のことが実現しようとしています。