重度後遺症被害者の意見陳述は法律に欠陥あり! 平成13年12月11日
 

●相 談●
『某高裁で審理中の業務上過失致傷罪で公判中の事件で、夫の被害者は会社員でしたが、今は重度後遺症のため口もきけません。それで私が被害者として意見陳述権の申立をしました。意見陳述の許可は出ましたが、公判直前に突然許可を取り消すとのことです。理由は申立て人が被害者と法定代理人に限られ該当しないことだそうです。裁判官は法律の不備と指摘しましたが、どうしてでしょうか?』

●回 答●
広島高裁も頭が固いというか,ええかげんにせえですね。意見陳述の申立を一旦許可したのに許可取り消しをし、それを「法律の不備」と指摘していますが、重度後遺症の被害者家族が取り残されている例の一つです。
 重度後遺症被害の刑事事件の公判での意見陳述は法律上、『被害者または法定代理人』(死亡は別)とされています。被害者が未成年であれば、親=親権者=法定代理人として意見陳述ができます。でも成人の場合には法定代理人は成年後見人に限られます。ところが、刑事裁判は事故から1年未満で結審します。1年ではまだ家族は成年後見の申立などしていないし、後見の申立もしない例も多いのです。まして,後見決定の登記などはまだでしょう。介護している妻とか親とかでは法廷で意見陳述は出来ないこととなります。ですから、意見陳述できるのを被害者のほか『法定代理人』と限定するのは重度後遺症の場合には不当であり、被害の実情と刑事裁判の時期の問題に配慮がなされていないためにかかる欠陥法律が出来たのです。
 法律としては『被害者または法定代理人、法定代理人がいないときは2親等内の同居の親族』とすべきだったのでしょうか?