就労終期は67歳? 平成12年10月18日
 

民事訴訟において、逸失利益を計算する際の就労終期は、保険会社、弁護士会、裁判所においても一律67歳とされており、改定の声は聞かれない。そもそも、いつから、またどうして67歳が就労終期の基準となったのだろうか。
1975年4月号の別冊判例タイムズ第1号がこれに答えている。「稼動就労終了時期を67歳としたのは、第12回生命表(昭和44年)0歳男子の平均余命67.74歳によったものである。すべての年齢の者の平均余命がその年齢の者の就労可能期間とは言えないであろうが、一応0歳のそれを採用した」さらに、「寿命延長傾向に鑑み、就労可能年数も早晩改定を免れまい.」と、東京地裁において、就労終期の基準の改定を担当した沖野裁判官の言葉である。
その後、平均余命は77歳にまで伸びているのに、就労終期の基準は25年間変わらず、被害者に不利な基準とされているのである。私は弁護士として、常々この点について疑問を持っていた。未成年者の就労終期は必ず67歳としていたが、仮に平均余命で死ぬとして、67歳から死ぬまでの10年間は、生きていても生産をしないものとして扱っていいものか。先の説明を読み疑問は解決したが、これからは現在の実態に即し、就労終期を77歳と主張すべきである。