交通事件で検察官が調書内容をねつ造しても知らん顔
−被害者だけが泣きを見る−
平成12年8月17日
 

平成11年8月、読売テレビで『交通業過致死事件について、目撃者の3人の少年らに対し、副検事が「嘘をつくな」と責め続けた挙げ句、加害者を不起訴にした事件について、被害者遺族が検察審査会に不服申立てをした』ことが報道された。
報道内容の1つは不服申立であった。この不服申立は、結局認められず、また、理由も一切明らかにされなかった。同時に、これと平行して大阪高検と最高検に再捜査の申立をしたが、これも認められず、理由も教えてもらえなかった。
報道内容のもう1つは、平成11年に目撃者の3人の少年が調書を取られた時、副検事が加害者の供述に沿うような内容を、少年らに強制するかのごとき取り調べを行ったことが問題とされた。この副検事の調書は公開されなかったので、少年達の調書内容はよくわからないままになっていた。
少年らの目撃証言は、民事裁判の法廷においても陳述され、それは、警察の実況見分調書とほぼ同じで、一貫したものであった。
少年らが衝突音を聞いたのは、現場から30メートル先であった。ちょうど横断歩道の信号の青点滅を見とめてから、30メートル進んだ場所で衝突音を聞いたので、交差点の信号は同時赤である可能性が確実だったのである。つまり加害者の信号が赤であったという事になる。
これに対し、加害者側が三少年の法廷での証言が検察の調書内容と違うという理由で、検察庁宛に検察調書の文書提出を求めた。検察庁はこの命令を一度は拒否したが、検察と弁護士会と裁判所の協議事項(民事の目撃者の証言と調書内容が相反する時には調書内容を提出できる)に基づいて、再度加害者側が文書提出命令を出したところ、検察は、平成12年6月にようやく、少年たちの法廷での証言と検察調書の内容が違う部分だけをワープロで作成して提出してきた。そこで、少年らの目撃証言とまったく違う調書がねつ造されていたことが判明したのである。その内容は次のとおりであった。
@ 少年のうち1人が音を聞いたのは現場から100メートル先である。これを今ごろ言うのは被害者のお母さんに言うのが怖かったから。
A 3人とも競争をしていた。
B 被害者は後の方にいた。距離にして80メートル乃至100メートルであった。
以上のように、警察の調書にも無ければ、少年達が体験した事もない事実が書かれていたのである。
少年が警察で述べた実況検分調書と民事法廷で述べた証言内容によると、本件は赤信号無視の衝突死亡事故となるが、少年らが検察官に強要されて作成された検事調書によると、信号無視など無い衝突事故となって、結果は相反する。
ここに、なぜ加害者側は、少年らの検察調書が公開されていないはずなのに、その内容が法廷での証言と違うと分かっていたのかという疑問が発生するが、そのことより問題なのは、このまま行くと、少年達が法廷で偽証したということになり、警察の実況見分は少年達の嘘に基づくものだった事になる。と言うのは、検察の調書は公文書であり、警察より上級の検事の作成したものなので信用性が高いからである。このねつ造された検察調書により、被害者が敗訴ということになる。検察が少年らの取り調べを不当に執り行った事が証明されない限り、この結果が覆る事は無い。正義に反する交通検察がまかり通ることになる。まったく許されないことである。
検事は不起訴にするために調書をねつ造し、少年らの意に反する調書をでっちあげた。不起訴原則主義は検事の捜査現場において、調書さえねつ造してまでも不起訴にする雰囲気があるのである。
では、どういう手段を講ずるべきか考えてみたが、検事を虚偽公文書作成罪で告訴するしかないと思われる。しかしながら、実際、これが検察に通ることは難しいであろう。こんな検事が実在することを検察が認めるはずがないからである。
このような悪徳検事の不正を防ぐ意味でも、情報公開の制度は重要なのである。