6 加害者の供述どおりの捜査 ―被害者遺族への弊害 

 非犯罪化の行き着く先は、ずさん捜査です。被害者遺族にしたらたまりません。
 刑事では刑の減刑理由となり、民事では被害者に過失があるとされることとなります。
 業務上過失致死傷事件の9割を不起訴とする政策は警察の現場の士気を低下させ、加害者の供述どおりにする傾向を生んでます。加害者の一方的言い分が通る捜査となる可能性が高く、被害者に不利な状況です。その結果、捜査にも影響があり、加害者の供述どおりの調書作りの雰囲気をつくり、ずさん捜査になります。

ずさん捜査の例 
 尼崎北署事件
佐賀の事件

 特に不起訴事件は実況見分以外の捜査情報が公開されず、検証できませんから、非犯罪化は不起訴事件の被害者側にとって真実を隠す厚い壁となります。不起訴事件は、不起訴処分後も実況見分しか開示されないので、加害者や目撃者の供述調書は被害者の目に触れません。取り調べを被害者側で検証する機会は与えられないのです。被害者から捜査の検証手段を奪い、捜査内容を隠蔽しています。また不起訴事件の民事裁判では実況見分以外の捜査記録が入手できないので徹底的な加害者尋問や目撃者尋問が必要とされます。立証責任が被害者側にあるからです。しかし裁判が始まっても事故から年数経過しており、目撃者等に尋問しても記憶自体がほとんどありません。刑事記録が公開されないので、加害者側の言い分の検証もできず、加害者の言い分を黙って聞いていなければならない結果となります。被害者に深刻な2次被害、3次被害を与えるのです。捜査情報を捜査段階で開示しない法務省に責任があります。昭和61年に3割だった不起訴事件は平成12年に9割となるに至って、検察の事務処理は効率化され、捜査時や処罰時の加害者天国を作りあげています。他方、法務省は捜査情報を被害者に公開しないことによって、被害者の声を封印しています。 被害者に不利で不公平なシステムが作られているのです。