10 民事裁判で道路管理者を訴えたい 

 道路管理者への訴えの必要がある場合もあります。
 交通事故は加害者の行為だけではなく、いろいろな原因が重なりあって発生するのです。よく事故が起こると言われる箇所は、道路上に欠陥があったり、信号に問題があったり、道路設備に問題があるのです。これらについては警察の捜査の対象外であり、事故の捜査が終われば問題とされることはありません。ところが民事は、過失相殺が激しい争点となります。過失相殺は加害者の過失が被害者の過失と対比されて論じられます。加害者は被害者に落ち度があると主張し、被害者も加害者に全責任があると主張します。過失相殺の議論は被害者か加害者のどちらが責任を取るかとの緊張感のある問題であり、被害者も常に事故の責任のリスクを負う可能性があるのです。示談や和解が当然という雰囲気の中では、加害者は悪くなく、道路が悪いとなる理屈が通用し、減額されます。道路等の瑕疵があることは被害者遺族にはマイナスとなるのです。そのために交通事故訴訟の場合には、弁護士は道路管理者を訴えることが時として必要です。