6 刑事裁判への被害者遺族の心構え 

 被害者や遺族は、受身である場合が多く、国が何とかしてくれるだろうと思う場合がほとんどです。しかし、交通事故は、どの段階でも軽く見られるので、被害者の声が伝わりにくく、刑事裁判も1回や2回で終わります。執行猶予が大半です。そのため、被害者のほうでも、積極的に対応したほうがいいのです。
 刑事事件のうち、公判事件のみ、平成12年11月1日より被害者のための制度が出来ました。被害者に公判記録閲覧謄写の機会と意見陳述の機会が付与されました。「機会」とは当然の権利でなく、裁判所の許可を要するのです。例外的に被害者の言い分も聞こうという制度です。平成16年の90万件の業務上過失致死傷罪のうち、この機会が与えられたのは1%の公判事件被害者だけです。その他99%の被害者(罰金や不起訴)にはこの権利もありません。
 被害者は、法廷で傍聴するだけですが、積極的に検察官と接触して、裁判に協力する姿勢を示すべきです。検事とはこちらから積極的に接触する必要があります。検察官の熱意も、被害者の熱意で生まれやすくなります。検事は制裁を求める立場ですから、被害者と共通する目的があります。

刑事裁判の被害者の意見陳述 
 事故の悪質さを具体的に被害者側からいうこと。事故についての供述は加害者の供述が中心ですから、被害者の意見は貴重なものとなります。
 そして事故後の加害者の対応を逐一言うこと。特に形式的対応をしておきながら、誠意を持って対応していると利用される場合が多いので、加害者が面会を求めたり、面会してどういう印象を持ったか、心が傷つけられた、と明言する場合も多いので、黙らずに率直に言うことです。
 この制度は被害者の心情の意見を述べる権利で、被害者への質問はできません。
 (但し被害者への質問付与の法案準備もあるようです)
 情状面での被告の言い分については、特に有効な打撃となります。
 例えば家族がいるとか、若いとかの言い分については、こちら側も、被害者側の家族の苦しみを伝えるべきでしょう。
 どの段階で言ったほうが良いか? 被告人尋問が終わった後、弁護人、検察官の最終論告弁論の前がベストです。被害者側の意見陳述が被告人尋問の先に予定されている場合には、検事に申し入れをしたほうがいいでしょう。
 意見陳述はサンプル例が遺族のHPでも公開されていますから、参照してください。