■本書推薦のことば

法務に携わる関係者は一読していただきたい!

参議院議員
元札幌高等検察庁検事長 佐藤道夫

 一般有識者の間に「加害者の人権のみが尊重され被害者の権利が全く無視されている。」との意見が多く見られる。特に交通事故関係についてこの考えが強い。確かに酒酔い、速度違反、前方不注意から追突事故を起こし数人の人命を奪っておきながら、2年前後の刑で済んでいる事例もあり、多くの人の憤激をかっており、本当にこれでよいのかと思わず考え込んでしまう。
 本書は、被害者遺族の立場から、交通事故処理システムを鋭く分析し、処理システムが命を大事にしていない現状の反省を処理システム側に求めているものである。
 交通事故の捜査にあたる警察官検察官、そして判決を言い渡す裁判官はこの被害者側の声を真剣にかつ重く受け止め、厳正な事件の処理を行ってもらいたいものと願う。

 
 


第一章 “加害者天国ニッポン”の実情

  • 交通事故による被害者数の増加
  • 交通事犯である加害者への処罰(業務上過失致死傷罪)傾向
  • 被害者数を増加させている検察の「非犯罪化」政策
  • 法務省がいう緩刑ないし非犯罪化の合理的理由
  • 緩刑化の弊害 ―ドライバー・警察・検察に与える影響―
  • 加害者の刑
  • 交通捜査手続きの流れ
  • 飲酒運転等道路交通法の罰則強化について
  • 軽傷事故の非犯罪化法案 ―朝令暮改―

第二章 “加害者天国ニッポン”の原因

  • 交通検察の姿勢
  • 警察の姿勢
  • 交通事故における医療現場への警察の介入
  • 被害者への捜査情報非公開制
  • 捜査情報非公開制度の現況と問題点
  • 究極の根本原因 ―交通検察の体質の由来(歪められた検察制度)

第三章 刑事裁判への遺族の思い

  • よくある刑事判決についての被害者の立場からの感想
  • 被害者遺族を無視し、マニュアル化した刑事裁判例
  • 刑事裁判に臨む被害者の心構え

第四章 民事訴訟、民事交渉における“加害者天国ニッポン”

  • 情報不足から発生する不利益な交渉の放置
  • 裁判の公正の侵害
  • 被害者遺族の裁判を受ける権利の侵害
  • 民事訴訟の審理における加害者過保護システム
  • 道路管理者への訴えの必要性
  • 被害者遺族を苦しめる示談と和解のシステム
  • 民事訴訟に臨む被害者の心構え

第五章 交通重度後遺症被害者に対する解決システムの問題点

  • 警察の問題
  • 病院の問題
  • ヘルパー問題
  • 加害者の刑の問題 ―不当に低い刑が多い―
  • 保険制度の問題
  • 法律上の問題
  • 生活上の問題 ―生活や人間関係からの孤立―

第六章 解決システム上のそのほかの諸問題

  • 悪質交通事故にもよくある手抜き捜査
  • 『求刑を上回る判決』の意味
  • 「類型化」や「法秩序維持」は被害者遺族になじまないキーワード
  • 民事裁判官も交通モラルの維持確保の担い手
  • 弁護士による被害者遺族への二次被害
  • 交通死被害者遺族や重度後遺症家族の支援活動等について